久高島

久高島

知念半島から東へ約五キロ。周囲約八キロの小さな島は沖縄の魂の原郷とよばれています。サンゴ礁に浮かぶ久高島は人口わずか三百人の小さな島。琉球開びゃく神話では、アマミキヨが天から降り最初につくったのがこの島だといわれます。また、米・麦・粟・黍・豆の五穀が初めてもたらされたのもこの地とされています。数多くの神話や神が祭祀の中で伝わるこの島に、琉球王国時代は歴代の国王が欠かさずさん参詣していました。十二年に一度、午年に行われていた『イザイホー』など厳粛で神秘的でさえある催事は、民俗学的にもたいへん貴重なものです。また、久高島では“地は神さまからお借りしているもの”と考えられ、今でも共有制をとっています。昔からの風景や島の暮らしを守り、共同体を維持していくための人々の知恵の表れです。